当クリニックで
扱う主な疾患

膝の痛み

膝の痛み
  • 変形性膝関節症
  • 膝半月板損傷
  • 膝蓋腱炎

など

変形性膝関節症

変形性膝関節症は、膝関節部の軟骨が劣化し、歩行時などに膝が痛くなる疾患です。中高齢者を中心として、日本には非常に多くの患者さまがいらっしゃいます。多くの場合、階段の昇降がつらくなりますが、平地ではそれほどの痛みは出ません。しかし、進行するにつれて痛みの頻度が増していき、膝の曲げ伸ばしが難しくなることもあります。いわゆる「膝に水が溜まった状態」になることも多く、この場合は注射針を刺して関節液を抜くことになります。

変形性膝関節症の治療は、大きく保存療法と手術療法に分けられます。このうち保存療法では、運動器リハビリテーション、筋肉運動、ストレッチ、物理療法、適度な運動、ヒアルロン酸注射、消炎鎮痛剤を用いた薬物療法などが行われます。

保存療法のみでは改善効果が見られない場合は、手術療法を行います。具体的には、関節鏡下手術、骨切り術、人工膝関節置換術などがあります。膝の変形があまり進行していないときは、主に関節鏡手術を選択します。骨切り術は、比較的に年齢が若く、手術後も仕事やスポーツなどを積極的に行いたいと考えている患者さまに対して行います。人工膝関節置換術は、膝の変形が重度になった高齢者などが主な対象です。最近は人工関節の性能が向上しているので、長期間にわたって使用できるケースも増えています。

膝半月板損傷

膝関節の太ももの骨とすねの骨の間には「半月板」と呼ばれる繊維軟骨があります。運動したとき、ジャンプから着地したときなどは、膝に強い負荷がかかるのですが、この半月板がクッションとなり、膝の負担や衝撃を吸収することができます。スポーツなどによるケガで膝半月板を損傷すると、膝の辺りに痛みが出ます。このほかにも、膝が引っ掛かる感じ、関節の腫れ、膝関節の可動域の制限なども現れるようになります。

なお、スポーツ競技などで半月板を損傷したときは、その場でまず応急処置を行います。具体的には、RICE(安静、冷却、圧迫、拳上)療法をきちんと行うことにより、その後の回復を早める効果が期待できます。

膝蓋腱炎

膝蓋腱炎は、ジャンプや走り込みといったことで膝の関節を酷使したことによるスポーツ障害のひとつであり、一般には「ジャンパー膝」とも呼ばれています。バレーボールやバスケットボール、スキー、長距離走などでは、頻繁にジャンプするなど、膝に強い衝撃が何度もかかります。そのため、膝蓋腱炎を引き起こし、膝の辺りに痛みや腫れが起こることがよくあります。骨の成長が顕著な中高生の世代に起こりやすいのも特徴です。

治療に関していうと、まずはスポーツ競技などをしばらく休み、膝の負担を減らすようにします。それでも改善しない場合は、痛み止めなどのお薬を処方します。痛みが落ち着いたらスポーツを再開できますが、予防措置を講じないと再び痛みが出かねません。スポーツドクターなどの助言をもとに、運動前の十分なストレッチ、運動中の膝を保護するためのサポーターやテーピングの使用、運動後のアイシングなどを行ってください。